確定申告が必要な人、確定申告すると得する人
2018/05/26
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今年もあっという間に年末ですが、年が明けるといよいよ確定申告のシーズンになります。
確定申告が必要な人の大半が、これから年明けにかけて準備にとりかかると思います。
また、ご自身が「確定申告が必要かどうか分からない」、「確定申告すると得する?」と疑問に思われている方もいると思いますので、すべきかどうか、得するのかを確認していきます。
平成30(2018)年分の確定申告
いつから: 平成31年2月18日(月)
いつまで: 平成31年3月15日(金)
※マイナンバー(個人番号)の記載が必要になります。
申告期限まであと
確定申告が必要な人
確定申告が必要な人について、給与所得者の人と、給与所得の有無に関係なく必要な人に分けて確認します。
給与所得者で必要な人
以下のいずれかにあてはまる方は確定申告が必要です。
- 給与収入が2,000万円を超える人
- 給与所得以外に副収入があり、その所得だけで20万円を超える人
- 2ヶ所以上の会社から給与を得ていて、年末調整しなかった給与の収入金額と給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人
- 同族会社の役員やその親族で、給与以外に会社から支払われる地代、貸付金の利子等による所得がある人
- 給与について、災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人
- 給与の支払を受ける際に源泉徴収されないこととなっている人(在日の外国公館に勤務する人や家事使用人など)
同族会社の役員の方について、会社から地代収入や貸付利子による所得がある場合については、金額要件がありません。20万未満であっても、申告が必要なことにお気をつけください。(算出した所得税額が年末調整の際に控除を受けた住宅ローン控除額等より少ない場合は、確定申告する必要はありません)
給与所得の有無に関係なく必要な人
以下のいずれかにあてはまる方は確定申告が必要です。
- 個人事業主で事業所得がある人
- 土地や建物の不動産を貸し付けていて、不動産所得がある人
- 不動産を譲渡して、譲渡収入が発生した人
- 株やゴルフ会員権を譲渡して、譲渡収入が発生した人
個人事業主の方については、申告を忘れることはないと思いますが、不動産を貸し付けている場合や不動産を譲渡した場合にうっかり確定申告をしていなかったという方はけっこういます。
マンション一室だけであっても、年間の所得(収入から固定資産税や管理費等を差し引いた金額)が20万円を超える場合には、確定申告が必要です。
また、不動産の譲渡については、税務署のほうで所有者の移転情報について把握してるので、申告もれはすぐ分かってしまいます。
確定申告すると得する人
確定申告の義務はありませんが、確定申告することで所得税の還付が受けられる場合があります。還付の受け忘れについては、お気をつけください。
- 給与所得者で、医療費控除、住宅ローン控除(初年度)、雑損控除、寄付金控除などが適用される人
- 給与所得者で、年末調整の時に生命保険料控除や地震保険料控などを受け忘れてしまった人
- 退職金支払いを受けた際、「退職所得の受給に関する申告書」を提出せず、20.42%の税率で源泉徴収された人で、源泉徴収された税額が納めすぎな人
- 副収入所得が20万円以下の給与所得者で、副収入について源泉徴収されている人
- 給与所得者で、源泉徴収されているが、年末調整を受けていない人
医療費控除、住宅ローン控除(初年度)、雑損控除、寄付金控除の適用を受けようとする場合には、確定申告の必要があります。これらの控除については、年末調整で適用を受けることができません。
住宅ローン控除については、初年度にしっかりと確定申告の手続きを踏めば、翌年度以降は、年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。
生命保険料控除や地震保険料控除などについては、原則、年末調整で適用を受けるものですが、万が一忘れてしまった場合について、確定申告で適用を受けることができます。
確定申告が不要な人
以下の方については、確定申告の必要はありません。
- 給与所得のみで会社で年末調整した人
- 所得が38万円以下の人
- 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下の人
まとめ
悪気がなくて、うっかり確定申告をしていなかったという方についても、加算税や延滞税が課されてしまうこともあります。しっかりと確定申告が必要なのかそうでないか把握しましょう。
分からない場合はご相談ください。
還付の受け忘れももったいないので、お忘れなく。