クレジットカード納税のメリット、デメリット
2017/06/23
最新記事 by 税理士 土屋 賢(つちや けん) (全て見る)
- 会社設立登記が早くなる?会社設立登記のファスト・トラック化について - 2018年5月26日
- 医療費控除適用、領収書添付不要へ 平成29年分より - 2018年1月4日
- ビットコイン等の仮想通貨による所得申告について - 2017年12月23日
平成29年1月4日からクレジットカード納付制度が開始されました。GMOペイメントゲートウェイ株式会社が「国税クレジットカードお支払サイト」を制作し、国税庁長官が納付受託者として指定したトヨタファイナンス株式会社と提携して運営がされます。
国税庁の以下のページからアクセス可能です。
もちろん、メリットもありますが、同時にデメリットも発生しますので、よく理解した上で、制度を利用するといいでしょう。
目次
1.税金の支払い時期を延ばせる
クレジットカード納付制度の一番のメリットは、カード払いによって税金の支払い時期を延ばすことができることです。
納付手続きをしてから、実際に口座から引き落とされるまでにタイムラグが生じるため、一時的な資金のやりくりのために利用することができます。
また、法定期限内に手続きが完了さえすれば、延滞税等の附帯税が発生することもなありません。
対象となるのは、所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税など、ほぼすべての国税で、加算税や延滞税などの付帯税も対象となります。
2.24時間利用できる
銀行等の金融機関で納付手続きをする場合は、窓口の営業時間を考えなくてはいけません。
一方、クレジットカード納税の手続きは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末等からインターネットを通じて、休日・夜間問わず24時間利用することができます。海外出張の間に納税ということも可能になります。
ただし、「国税クレジットカードお支払サイト」を通じてのみの手続きとなりますので、金融機関やコンビニ、税務署の窓口では、クレジットカードによる納付手続きはできません。
3.支払回数が選べる
対応するクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARDとなります。
ポイントやマイレージが付与されるのもメリットの一つです。
納付できる金額は、1度の納付手続きにつき1,000万円未満、かつ、クレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)です。
カードでの支払いとなるため、当然といえば当然ですが、一括払い・分割払い(3回、5回、6回、10回、12回)又はリボ払いの中から選ぶことができます。
※分割払い又はリボ払いの場合は、各カード会社の定める手数料が発生する場合があります。また、クレジットカードにより、支払方法が選択できない場合があります。
4.複数のクレジットカードで手続きできる
納付額が1枚のクレジットカードの決済可能額を超えてしまう場合には、複数のクレジットカードにより手続きすることも可能です。
クレジットカードの決済可能額以下の金額ごとに納税額を分割して納付手続を行い、各納付手続において、入力するクレジットカードの情報を変更することで、複数のクレジットカードにより納付手続きを行うことができます。
複数のクレジットカードにより複数回手続きを行えば、1,000万円以上の納付手続きも可能です。
5.決済手数料が発生する
デメリットとしては、まず決済手数料が発生することです。
納付税額の最初の1万円までは、76円(税別)、以後1万円を超えるごとに76円(税別)を加算した金額となります。
手数料金額については、「国税クレジットカードお支払サイト」において、シミュレーション計算が可能です。
また、領収書は発行されません。必要な場合は、金融機関や税務署での窓口で現金納付しなければなりません。
6.納税証明書の発行に時間がかかる
クレジットカード納税による納税証明書の発行については、国税庁によると、「3週間程度かかる場合もあります」としています。
金融機関から融資を受ける場合など、すぐに納税証明書が必要となる場合は注意が必要となります。
7.納付手続の手順
以下の手順で納付手続を行います。インターネットでショッピング等をしたことがある方であれば、難しくなさそうです。
①利用規約の確認
②クレジットカード納付を行う税金の情報を入力
③利用するクレジットカードの情報を入力
④入力内容の確認
⑤納付手続の確定
⑥手続きの完了
⑦クレジットカードの決済
8.まとめ
納付手続きの手段が増え、使い方によっては、手続き負担が減るでしょう。ただし、デメリットもありますのでご注意ください。
あと、ご利用は計画的に。