個人事業主に課される事業税について

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個人事業主にかかる税金として、所得税、住民税がありますが、さらに個人事業税がかかるケースがあります。国税である所得税と異なり、自分で算定することはなく、前年度の所得をもとに地方自治体から納付書が届き、納めることになります。
仕組みについては、個人事業を行う上で、知っておくべきものになりますので、確認します。
納付額
個人事業税は、個人が行う事業のうち、法律で定められた70種類の業種に対してかかる税金で、ほとんどの事業にかかるものになります。
ただし、以下の算式によりゼロとなる場合には、納付額が発生しません。
※ 事業所得および不動産所得については、青色申告特別控除前の金額となります。
各種控除
算式上で差し引かれる「各種控除」とは以下のものとなります。
①青色申告者の専従者給与額
②白色申告者の専従者控除額(配偶者の場合は86万円、その他の親族に対しては1人50万円が上限)
③青色申告者で赤字となった場合の損失の繰越控除
④被災事業用資産の損失の繰越控除(白色申告者で災害によった損失があるとき白色申告者で震災などによって損失があるとき)
⑤譲渡損失の控除と繰越控除(機械等の事業用資産を譲渡したことで損失が生じたとき)
事業主控除
個人事業税は、青色申告特別控除は適用されませんが、事業主控除が一律290万円あります。事業開始した年度等で、事業期間が1年未満の場合は、月数按分した金額が控除されます。
つまり、事業主控除額以下の所得の年度については、個人事業税が課されません。
税率
個人事業税の税率は業種によって、以下の税率となります。
第1種事業 5%
物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶ていけい場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業 、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業
第2種事業 4%
畜産業、水産業、薪炭製造業
第3種事業のうち以下の業種 3%
あんま・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業、装蹄師業
第3種事業のうち以下の業種 5%
医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業
納付時期
一般的には第1期(8月)と第2期(11月)の2回に分けて納付します。ただし、地域により、8月に一括で納付するか、2回に分けて納付するかを選択できる場合があります。
不動産貸付業と駐車場業の認定基準
不動産貸付業や駐車場業において個人事業税が課税されるかどうかは、以下の基準により認定を行います。
なお、共有物件は持分には関係なく、共有物件全体の貸付状況により認定され、税額は持分に応じて計算します。 また、信託物件も貸付件数等に含みます。
不動産貸付業
種類・用途 | 規模判定 | ||
---|---|---|---|
建物 | 住宅 | ①一戸建 | 棟数が10以上 |
②一戸建以外 | 室数が10以上 | ||
住宅以外 | ③独立家屋 | 棟数が5以上 | |
④独立家屋以外 | 室数が10以上 | ||
土地 | ⑤住宅用 | 契約件数が10以上又は貸付総面積が2,000㎡以上 | |
⑥住宅用以外 | 契約件数が10以上 |
※1 ①~⑥の貸付用不動産 を複数種保有している場合は、総合計が10以上又は①~⑥いずれかの基準を満たす場合に課税されます。
※2 基準未満であっても、以下のような場合は、課税されます。
① 貸付用建物の総床面積が600㎡以上であり、かつ、この建物の賃貸料収入金額が年1,000万円以上の場合(権利金、名義書換料、更新料、礼金、共益費、管理費等をのぞく)
②競技、遊技、娯楽、集会等のために基本的設備を施した不動産(劇場、映画館、ゴルフ練習場など)
③一定規模の旅館、ホテル、病院など特定業務の用途に供される建物
駐車場業
種類・用途 | 規模判定 |
---|---|
寄託を受けて保管行為を行う駐車場 | 駐車可能台数問わず課税 |
建築物・機械式等である駐車場 | 駐車可能台数問わず課税 |
上記以外の駐車場 | 駐車可能台数が10台以上 |