個人事業開業に必要な手続き
2016/11/30
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会社を退職し、新たに自分で事業を始める方については、税務署にいくつか書類を提出する必要があります。期限に間に合わせなくてはいけないものもありますので、既に始めている方についてもまだ間に合うのか、ご確認下さい。
1.個人事業の開業届出書
必要な事項を記載し、納税地を管轄する税務署に事業を開始してから、1ヶ月以内に提出しましょう。
●国税庁HP 個人事業の開業届出書
開業したら「青色申告承認申請書」とセットで必ず提出してください。
納税地について
「納税地」として記載する場所については、通常、自宅の住所地で問題ありません。ただし、事務所を借りたり、店舗経営をする場合には、事務所やお店の場所を「納税地」とすることも可能です。
納税地には今後、税務署からの郵便物が届くことになりますので、書類を管理しやすい場所にするのもいいかもしれません。
一度決めた納税地を変更する場合には、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」の提出が必要となります。
各種手続きにも必要
開業届出書については、税務署に提出して終わりではなく、その後の事業活動上の手続きにおいても必要となってきます。
たとえば、事業用に銀行口座を作成する際に個人名ではなく、屋号(お店の名前など)を使用したい場合もあるでしょう。
そのような場合に、銀行は、開業届出書の控え(税務署に提出済みのもの)をもとめてきます。
また、融資や補助金・助成金の申請手続きの際にも必要となることもありますので、開業したら必ず提出しましょう。
2.青色申告承認申請書
この申請書を提出し、所得計算の元となる帳簿作成をしっかり作成することで、様々な節税効果を受けることができますので、必ず期限内に提出して下さい。
●国税庁HP 所得税の青色申告承認申請書
提出期限は以下のとおりとなります。
(開業日が1/1~1/15の場合は3月15日まで)
※期限に間に合わなかった場合には、その年は青色申告の適用を受けることはできません。来年度からの適用となりますので、十分に注意してください。
3.給与支払事務所等の開設の届出書
開業と同時に給与の支払が生じるような場合には、合わせて提出しておきましょう。 支払の事実があった日から1ヶ月以内が提出期限となります。
●国税庁HP 給与支払事務所等の開設の届出書
4.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
同じく、給与の支払が生じるような場合には、こちらも提出しましょう。
●国税庁HP 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
給与等の支払がある場合には、所得税を源泉徴収し、原則として徴収した日の翌日10日までに納付しなければなりません。つまり、毎月納付手続きが生じます。
しかし、給与等の支払を従業員が常時10人未満である場合において、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出した場合には、上半期と下半期に分けて年2回にまとめて納付できるのです。
毎月納付することは、事務負担が大きくなってしまいます。提出した日の翌月に支払う給与等から適用されるため、気をつけましょう。