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退職金や現役引退後の生活資金を自分で確保しよう!小規模企業共済制度について

   

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税理士 土屋 賢(つちや けん)

代表税理士土屋税務会計事務所
東京都調布市で開業している税理士です。会社設立や資金調達、決算書作成に税務申告、税務調査対応に至るまで親切丁寧にサポートします。お問い合わせはこちらまで。

事業を開始したばかりの個人事業主や会社経営者の方で、自分の引退後についてまで、しっかりと思い描いているという方は少ないかもしれません。しかし、誰もがいつまでも現役第一線で働けるわけではなく、いつかは引退、退職ということを考えなくてはいけません。そのような時に、個人事業主や会社経営者の場合は、「何もしなくても退職金がもらえる」わけではなないため、自分自身で準備しておかなければなりません。

自分の引退や退職なんて、今のとこ考えたくないという方も、「節税にもつながる」ということであれば、興味をもってもらえるかもしれません。ここでは、個人事業主や会社経営者が「節税しながら、現役引退後の生活資金を準備する」のに最適な小規模企業共済制度について紹介します。

小規模企業共済制度とは

小規模企業共済制度は、月額1,000円~70,000円(500円単位)の範囲で一定の掛金をかけておき、将来事業を廃業するときや会社を退職する時に、そのかけていた掛金を退職金として受け取るという制度自体はシンプルなものです。もちろん、支払ったお金を将来受け取るだけでは、何もメリットがありませんが、次のメリットがあります。

掛金支払時のメリット

払い込んだ掛金は、全額が所得控除の対象となり、仮に最大の月額7万円の場合は、年間84万円の所得控除が受けられます。

支払い方は、月払い・半年払い・年払いの3とおりの払込方法(払込区分)を選択できます。

共済金受取時のメリット

共済金を一括で受け取る場合には退職所得扱いに、分割で受け取る場合には公的年金等の雑所得扱いとなり、受け取るときも退職所得控除などのメリットがあります。

受け取れる共済金には、「共済金A」、「共済金B」、「準共済金」があり、共済契約者の立場や共済金を請求する理由によって、受け取れる共済金の種類が変わります。

ただし、掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満での解約では、解約手当金の額は掛金残高を下回ります。なお、掛金を納付した期間が12ヶ月に満たないと掛け捨てとなりますので注意が必要です。

事業資金等の貸付制度を利用できる

一定の条件を満たせば、共済契約者が払い込んだ掛金の範囲内で事業資金等の貸付けを受けられます(無担保、無保証人)。貸付けは、災害時などの想定外のケースや新しいチャレンジに役立てることができます。

 

加入資格

小規模企業共済制度については、文字どおり20人以下(業種により異なる)の小規模の事業主や会社役員を前提とした制度となっています。ただし、近い将来人数が超える予定であっても、現状超えてなければ加入が可能です。以下の加入できる方と加入できないケースを元に検討してみましょう。

加入できる方

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

加入できないケース

次のいずれかに該当する方は加入できませんのでご注意ください。

  1. 配偶者等の事業専従者(ただし、共同経営者の要件を満たしていれば共同経営者として加入できます。)
  2. 協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)等の直接営利を目的としない法人の役員等
  3. 兼業で事業を行っているサラリーマン(雇用契約に基づく給与所得者)
  4. 学業を本業とする全日制高校生等
  5. 会社等の役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)であっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合
  6. 生命保険外務員等
  7. 独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「中小企業退職金共済制度」、「建設業退職金共済制度」、「清酒製造業退職金共済制度」、「林業退職金共済制度」(以下「中退共等」)の被共済者である場合

 

加入手続き

小規模企業共済への加入手続きは、中小機構と業務委託契約を締結している委託機関(委託団体)または金融機関の本支店(代理店)の窓口で行うことができます。

なお、ゆうちょ銀行、農業協同組合の一部、労働金庫、新生銀行、あおぞら銀行、シティバンク等の外資系銀行、楽天銀行等のインターネット専業銀行は、小規模企業共済を取扱っていませんので注意してください。

委託団体

商工会、商工会議所、中小企業団体中央会、事業協同組合、青色申告会など

代理店(金融機関の本支店)

都市銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、商工組合中央金庫、農業協同組合(26都道府県)など

 

 

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